GABAと笑いによる心身の健康効果を確認

2011年5月16日

2011年5月13日に開催された日本栄養・食糧学会第65回大会で、GABAの摂取と笑いがやる気の向上やストレスの軽減など心身の健康に寄与することが明らかになったと発表されました。

ストレス解消によいと言われている笑いの効果について科学的に検証を試みたこの研究では、同じくストレス軽減効果のあるGABAと組み合わせることで、食品と笑いという異なる分野の組み合わせがどのように心身の健康に寄与するかが調べられました。

01
写真1 お笑いタレントによる漫才鑑賞実験

企業で働く男女18人を対象に行われたこの研究は、被験者に計算作業を課してストレスをかけてから、①通常業務、②でんぷんを摂取してお笑いタレントによる漫才や漫談を鑑賞する、③GABAを摂取してお笑いタレントによる漫才や漫談を鑑賞する、の3つの試験パターンを設定。各試験前後の唾液中のクロモグラニンA※1やNK細胞活性※2、血液中のドーパミン量※3の測定、やる気などの体感アンケート調査を実施しました。

※1 唾液中に含まれるタンパク質の一種。ストレスがかかると多く分泌されることが知られており、ストレスを表す指標として用いられています。

※2 ウイルス感染や悪性化した細胞等を攻撃する初期防衛機構として働く細胞の活性。免疫力を表す指標のひとつとして用いられています。

※3 神経伝達物質のひとつで、快の感情や意欲に関わるとされています。快感が得られているかどうかを表す指標として用いられています。

02
写真2 計算作業によるストレス負荷
03
写真3 サンプル摂取

その結果、GABAを摂取し笑いを観賞することによりストレスを表すクロモグラニンAが低下する傾向が認められ(図1)、免疫力を表すNK細胞活性が有意に上昇(図2)。また、やる気や意欲を表す血中のドーパミン量(図3)と、実際の体感(やる気)も有意に上昇(図4)。

01
図1 唾液中クロモグラニンAの変化率

02
図2 NK細胞活性の変化率

03
図3 血中ドーパミンの変化率

04
図4 やる気の体感アンケート

この実験から、GABAと笑いと組み合わせることでストレス軽減、免疫力向上、やる気の向上など心と身体の健康に寄与することが実証されたと報告されています。