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【リリース内容】
GABA(ギャバ)・ストレス研究センターは、杏林大学・古賀良彦教授と、「GABA」(*1)摂取による、子どもの『学習時のストレス』軽減と『学習の効率』向上効果を、試験により確認しました。
低年齢化する受験志向の中、塾通いで長時間にわたり勉強する児童の増加など、学習時のストレスが社会問題となっています。本試験は、そのような環境下にある子どもたちのストレスによる学習効率(パフォーマンス)の変化に着目し、2007年10月、小学生を対象に実施しました。
特に、新学期の始まりやゴールデンウイーク後の五月病など、心身ともに負担がかかりストレスが溜まりやすくなるこの季節。今回明らかになった子どもの『学習時のストレス』軽減や『学習の効率』向上効果を役立てていただければと考えています。
被験者は、都内の私立小学校に通う6年生の小学生61名(平均年齢11.6±0.5歳、男児25名、女児36名)としました。(※事前に保護者に対し、書面によりインフォームド・コンセントを行い、研究目的ならびに協力に同意を得ています。)
試験は、GABAを100mg含有するチョコレートを摂取するGABA群(男児13名、女児17名)と、GABAを含まないチョコレートを摂取するプラセボ群(男児12名、女児19名)に分け、ダブルブラインド(*2)にて実施しました。試験開始時の唾液を採取した後、各群にチョコレートを摂取させ、内田クレペリンテスト(暗算課題)を15分間遂行させてストレスを負荷し、終了直後に再度唾液を採取。有効データ45名(GABA群:男児10名、女児11名/プラセボ群:男児10名、女児14名)につき、摂取前後の唾液中CgA値(*3)を比較しました。
その結果、GABA群では、チョコレート摂取前には1.90pmol/mlであったCgA値が、摂取後には1.45pmol/mlに低下。特に、算数が嫌いであると申告した児童については、有意な低下が認められました(p<0.05)。一方、プラセボ群では、摂取前後のCgA値に変化はほとんどありませんでした。
さらに、クレペリンテストの回答数および正答数は、GABA群はプラセボ群に比べ多い傾向がみられました。
以上の結果から、小学生におけるGABA摂取は、『学習時のストレス』を軽減する効果があること、また、『学習の効率』を高める可能性があることが示唆されました。
既に確認されている、成人を対象にした「GABA」摂取による心身疲労軽減と作業量向上効果に加え、今回の試験では子どもにとっても同様の効果を示すことが実証されました。
この試験内容の詳細は、5月2日(金)~4日(日)に女子栄養大学・坂戸キャンパス(埼玉県坂戸市)にて開催される第62回日本栄養・食糧学会大会において発表される予定となっています。
以上
マスコミの皆様からのお問い合わせは、当センター広報事務局までお気軽にご連絡ください。
<参考>
*1)「GABA」:
γ(ガンマ)-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称で、動植物中に広く存在する天然のアミノ酸。食品では発芽玄米をはじめ、野菜や果物、発酵食品などに多く含まれている。
*2)「ダブルブラインド」:
臨床試験官・被験者、共に被験食・プラセボ食のどちらを摂取しているのかを伏せて実施する試験方法。
*3)「CgA」:
自律神経の刺激によって副腎髄質やその他の内分泌組織の分泌顆粒細胞から放出される主要なタンパク質の一種。ストレスに対する生体反応を知る上での新しい生理指標として期待されている。
■GABA(ギャバ)・ストレス研究センター
横越英彦代表(静岡県立大学教授/農学博士)のもと、食品成分である「GABA」をテーマに、現代人のストレス軽減とそれによるQOLの向上に寄与することを目的とし、2006年11月1日設立。日常的なストレス軽減の重要性を啓発すると共に、ギャバのストレス軽減作用を実験・検証し、その成果を積極的に発信する研究機関。
ホームページURL : http://gabastress.jp/
■古賀良彦(杏林大学教授/医学博士)
1971年慶応義塾大学医学部卒業後、同大学医学部精神神経科学教室入室。76年杏林大学医学部精神神経科学教室に転じ、90年に同大学助教授、95年に教授、01年主任教授となり現在に至る。日本臨床生理学会理事、日本薬物脳波学会副理事長、日本催眠学会会長他多数の学会役員、評議員を兼ねる。精神保健指定医、日本ブレインヘルス協会理事長。
■日本栄養・食糧学会
栄養科学ならびに食糧科学に関する学理および応用の研究についての発表、知識の交換、情報の提供を行う事により、栄養科学、食糧科学の進歩普及を図り、わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的として、1994年に設立された学術団体。
(日本栄養・食糧学会ホームページより、一部改変)